100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

高松荘
【たかまつのしょう】


旧国名:陸奥

(近世)江戸期の広域地名。栗原郡のうち。尾松荘(小野松荘)の名は「余目記録」には見えるから戦国期頃には地域の汎称(三迫(さんのはさま))として行われていたと思われる。「封内名跡志」栗原郡の項に「郷党一郡を五区に分つ」として「三の迫は高松の荘二十八村あり」とあり,また「封内風土記」の栗原郡の項に「其邑九十六。之を分ちて五区となす」とあり「其三三ノ迫と曰う,二十八邑。乃ち古の高松荘也」とある。「古の高松荘也」とあるから近世郷村制確立以前の中世期の称号と考えられるが定かでない。またこれらの荘は本来の荘園と同じではなく,地域の汎称のようになっていたと思われる。なお「奥羽観蹟聞老志」三迫の項に,岩崎・沼倉・松倉・中野・鳥沢・猿飛来(さつぴらい)・大原木・里谷・平形・深谷・藤渡戸(ふじわたど)・普賢堂・赤児(あかちご)・末野・片間合・小堤(おづつみ)・有壁・小迫(おばさま)・金成・有賀・御田鳥(みたどり)・武鎗(むやり)・石越・沢辺・大林・畑村・福岡・若柳・石崎(いわさき)の29か村があげられている。御田鳥は有賀村の端郷であるから,残り28か村は高松荘の村数と一致,現在の栗原郡栗駒町・金成(かんなり)町・若柳町,登米(とめ)郡石越(いしこし)町と三迫川ならびに迫川域流の各村々が高松荘に当たると考えることができる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7018229