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田代島
【たしろじま】


石巻市の牡鹿(おしか)半島荻ノ浜湾の南,大原湾の西にある島名。総面積3.11ha,海岸線延長11.2km。北東の大泊(おおどまり),南東の仁斗田(にとだ)の2集落がある。昭和32年女川町出島・江島とともに離島振興対策実施地域に指定される。西岸は絶壁状,東岸は遠浅。中央部に丘陵が東西に走り,沼沢池が水田として利用されている。全体が侏羅系の砂岩,頁岩の互層から成り,縞状頁岩・黒色砂岩等が分布している。北端の西海岸から南部の台地にかけて松の自然植生が見られる。江戸期には網地(あじ)島とともに軽罰罪人の流刑地。軽罰のため,当島で一生を終えた人は少ないといわれるが,それでも島内には日東和尚壇(共同墓地)に配流者のものと確認される数基の墓碑がある。仁斗田浜に流人小屋があり,島役人が監視していたという。また江戸期に北端,二鬼城崎(にげしろざき)付近から南に釜石・正島(まさじま)・和良美(わらび)・松石・三つ石の大謀定置網が経営され,マグロ・タイが漁獲されていた。現在は漁業協同組合経営による松石・和良美の2か統であるが,あまりふるわずスズキ・サバ等の水揚げがあるのみである。名勝として「駒の足形」があり,島の人々は馬の足跡と呼ぶ。南端三つ石崎の西方にあり,火山岩の奇岩怪石。所々に馬の足形や,馬の顔のようなものがあるので,この名が生まれた。また島内南部には愛宕(あたご)山がある。標高83m。晴天には遠く磐城海岸を望むことができ,松島・石巻・金華山もその視野のうちにある。頂上より東方の裾野に愛宕神社の小祠があり,延元3年8月の紀年銘のある板碑がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7018268