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夏川
【なつかわ】


栗原郡金成(かんなり)町・若柳町の迫(はさま)川北岸の金成耕土を東流,登米(とめ)郡石越町の北部,岩手県西磐井(にしいわい)郡花泉町境より石越町東部へ迂回南流する川名。幹線灌排水用路(石越町史)。現在の国道4号沿い,金成町畑に源を発し途中,源太郎川・大釜江(おおかまえ),さらに若柳町有賀の丘陵に発する地田川・田町川を合わせ,岩手県花泉町で磯田川を合わせ石越町北部,岩手県境を流れ迫町佐沼北方で迫川に合流する。藩政期から新田開発とともに治水工事が盛んに行われ,寛永19年領内惣検地の頃,「当村柳林より蝦嶋前迄悪水川切開き新川と成る,四月五日迄御普請罷成故右川を夏川と申也」(石越村古事記/石越町史)とあり,名前の由来も普請の時期よりとられている。その後も改修・築堤工事が実施され,大正13年には南岸,石越町北郷の鹿沼約40町歩の干拓が行われた。昭和5年夏川沿岸耕地整理組合が宮城・岩手両県2町9か村により結成され,10年間を要し,同15年3,000町歩の湿田が改良された。その記念碑が若柳町並柳にある。さらに同32年夏川上流土地改良組合が結成され15か年を要し,同49年工事が完成,記念碑が若柳町大袋にある。往古より水害をもたらした夏川も治水が完成,流域は美田と化した(石越町史・若柳町誌)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7018622