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二迫
【にのはさま】


旧国名:陸奥

(中世)栗原郡を区分するときの広域地名の1つ。二迫川流域に当たる地域をいう。江戸期にも,一迫(いちはさま)・二迫・三迫に栗原諸村は大別されていたが,この区分は平安末~鎌倉初期にはすででに成立していた。「吾妻鏡」文治5年8月21日条には三迫,同建久元年2月12日条には一迫の名が見えるから,この頃には二迫の呼称もすでにあったことが推定できる。「留守文書」元弘4年2月晦日付の北畠顕家袖判陸奥国宣には「陸奥国二迫栗原郷内外栗原并びに竹子沢」と見え,同じく「留守文書」文和元年12月23日付の留守持家宛吉良貞家安堵状にも「二迫栗原郷内平太良入道在家壱宇」と見えている。栗原郷をその中に含むことから,古代栗原郡の中心部をうけた郡中央地帯であったことがわかる。「余目記録」は南北朝のことにふれて「二迫三国郷を下さる」「うは方は二迫栗原小野松庄二十四郷今に知行す」とあり,上形氏が室町期二迫の総領主格だったことがわかる。「伊達正統世次考」はその天文5年6月の条で渋谷・泉田・上形・狩野の4氏を「川内四頭」としており,中世川内(大崎)地区を代表する国人領主の1人とみなされていたことがわかる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7018751