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宮戸島
【みやとじま】


桃生(ものう)郡鳴瀬町の松島湾入口にある陸繋島名。東は石巻湾に沿って野蒜(のびる)に続き,西は鰐ケ淵(わにがふち)水道を経て浦戸諸島に対する。北に松島湾,南に仙台湾が広がる。松島湾内最大の島で,周囲約12km・面積約8km(^2)。もとは離島であったが,昭和初期より東対岸の野蒜洲崎浜と砂洲でつながり,次いで同9年現在の県道野蒜宮戸線が開通して陸繋島となる。しかし昭和38年潜ケ浦(かつぎがうら)水道の開削によりふたたび陸から離れた形になる。全島すべて貝塚といえるほど貝塚が多い。中でも縄文前期~弥生中期の里浜貝塚は,大正7年14体の縄文時代人骨(13体は完全)を出土するなど南奥羽の標準遺跡として有名。現在里浜・月浜・室浜・大浜の集落があり,約120haの耕地がある。海岸線は不規則で砂浜が少なく,大部分は断崖絶壁でいずれも凝灰岩の海食崖。島の南岸には萱野崎・稲ケ崎・和布刈(めかる)崎が鼎立し,嵯峨渓(さがけい)など奥松島の景勝地がある。稲ケ崎にはツバキの密林がある。和布刈崎の突端に海食でできた和布刈浜は,クロマツ林を背に波も穏やかな小砂浜。付属島嶼は,波島(はしま)・木ノ島・中ノ島・唐戸(からと)島・高島・ツク島など。稲ケ崎対岸の唐戸島は面積15.5haで最も大きく,次いで里浦のツク島3ha,萱野崎南方海上の波島は2.2ha。波島には,昭和22年開設の波島灯台がある。大高森は宮戸島の最高所で,頂上からの眺望は松島四大観中随一という。全島特別名勝松島のうち。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7019303