院内岳
【いんないだけ】

仙北(せんぼく)郡田沢湖町にある山。田沢湖南岸に位置し，旧田沢火山外輪山の最高峰。標高751m。佐藤源郎の「地質学上より見たる田沢湖」によれば，地質は橄欖(かんらん)輝石安山岩で，更新統噴出岩としている。山頂西側付近を，田沢湖町と西木(にしき)村の境界線が南北に通過し，東側をほぼ並行して，院内川が南流する。流域には，辰子姫伝説の里，岡崎院内がある。中腹の大蔵神社は大同２年坂上田村麻呂の創建で，拝殿は奥殿付の堂々たる建築物だったといわれるが，明治43年10月，火災に遭った。参道の石段は，辰子姫が大蔵観音に願を掛け，１夜１枚ずつ100段の石段を奉納する約束を果たし，満願の日，神のお告げによって，山地に湧く泉を飲み，蛇身と化して田沢湖の主になったという伝説が伝わる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7019976