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善知鳥川
【うとうがわ】


仙北(せんぼく)郡千畑(せんはた)町・六郷町を流れる川。岩手県境の真昼(まひる)岳(1,060m)・女神山(956m)を源とする向沢・浅沢・水沢の3沢が合して善知鳥川となり,谷底平野の雷電河原を形成。さらに千畑町善知鳥から南流し,六郷町妻ノ神で丸子川に合流する。流路延長6km。上流の岩石は男鹿(おが)半島に次ぐ多様さを持ち貴重な標本をなしている。向沢~水沢間の尾根は「松坂道」といい,かつてキリシタンの山越えの道でもあった。秋田藩は麓の善知鳥に番所を置いて,秋田と南部藩を往来する人々を取り調べ,食糧・物品の交易も規制した。ここで捕えられた13人のキリシタンは,寛永元年横手で斬首されている。関守のレイス大津三郎右衛門は一時転宗したため,佐竹義宣はこれを逆用して彼を吟味に当たらせたが,のちに逮捕され,処刑されたという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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