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大沢川
【おおさわがわ】


仙北(せんぼく)郡西仙北町の西部を流れる川。円行寺(えんぎようじ)字田ノ沢に発し,途中,坂繋・円行寺・大場沢を通り,石持付近から西へ急転,下流は大沢郷宿・椒沢(はじかみさわ)と続いて,杉山田の南で雄物(おもの)川に合流する。流路延長14km,出羽丘陵を刻む小河川。上流の集落は,明治22年の町制施行までは円行寺村と称し,藩政期は亀田藩領。坂繋から土場(雄和町)・中張・新沢(大内町)を通り,駒泣峠を越えて亀田へ通じる峠道が利用された。円行寺の山々は表土が薄く保水力が小さいので,雨が降り続くと大水となり,降らないとたちまち旱魃になる。同地区の八幡神社は雨乞鳩八幡宮とも呼ばれ,雨乞いのための女相撲奉納行事は有名(西仙北町郷土史資料大沢郷篇)。下流左岸の椒沢は古い集落で,県道沿いの宿・杉山田・正手沢は椒沢の分村という。対岸の田屋は椒沢の農家の出作小屋のあった所で,やがて永住し集落(子村)を形成したものと認められる。椒沢に伝わる番楽は由緒深く,舞いは前番楽・西舞・三番叟翁舞など20数種類に及び,鉦・太鼓・笛の三拍子を添え,すこぶる勇壮(西仙北町郷土誌)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7020164