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勝軍山
【しょうぐんざん】


平鹿(ひらか)郡大森町と仙北(せんぼく)郡南外(なんがい)村の境にある山。標高340m。低平な出羽山地の中,わずかに変化をみせるアスピーテ型の小丘で,南北に緩やかな稜線が延びる。山名は坂上田村麻呂が保呂羽(ほろは)山に住む夜叉鬼を征伐するため,この山に陣を張ったことに由来するという(西仙北町郷土史資料大沢郷篇)。山頂には,摩利支天尊がまつられ,第2次大戦中は兵隊検査に合格した人々が武運長久祈願のため参拝した。山の東約2km地点に,大森町大納川の源の鉢位山がある。「雪の出羽路」なつみ沢猿田村の項によれば,昔,同山に正観音を安置する大社,修験千手院大仙坊があり,多くの信者でにぎわったとされているが,今は山に通じる道も絶え,旧社地跡を知る人さえいない。麓の夏見沢は近年3~12戸の過疎集落となり,さらに集落再編成による集団移転で村落は消滅した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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