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西馬音内川
【にしもないがわ】


馬音(ばおん)川ともいう。横手盆地南西端,雄勝(おがち)郡羽後町を流れる川。出羽山地内の姥井戸(うばいど)山(927m)・大黒森(おおくろもり)山(642m)を水源とし,北東方向に谷川を浸食して盆地に入り,羽後町鵜ノ巣(うのす)(旧明治村)付近で本流の雄物(おもの)川と合流する。当川は谷口の梺(ふもと)集落(旧元西馬音内村)を扇頂とする西馬音内扇状地を形成。扇央には西馬音内(旧西馬音内町の中心集落),扇端には大戸(おおど)・田畑・糠塚(ぬかづか)・安良(あら)町などの集落が発達。同扇状地は洪積世時代(約1万年前)に形成されたものと考えられ,現在その扇端部を流れる大戸川で段丘が確認され,隆起扇状地と推定されている。同地は羽後町平坦部の主体をなし,その土地利用が水田のため,浸透性の大きい扇面を流れる西馬音内川は,古来水田灌漑用水の貴重な水源となっている。古代からの遺跡が扇状地一帯に多く,下流の郡山(こおりやま)は古代雄勝郡衙跡とみられ,元西には中世に小野寺氏の居城があった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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