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檜木内川
【ひのきないがわ】


鰍瀬(かじかせ)川ともいう。仙北(せんぼく)郡西木(にしき)村と角館(かくのだて)町を流れる川。西木村最北端の高崎森(993m)付近に源を発し,同村のほぼ中央を南流し(33km),角館町で玉川に合流する。東西から流入する沢・川の水を集めて水量が豊富,さらに春の融雪水と夏の集中豪雨で,下流域はしばしば洪水の被害を受けた。角館歴史年表には,明治初年から昭和30年まで計16回の洪水が記録されており,そのつど,堤防の決壊,橋の流失,農地や家屋の浸水などの被害を出した。流域には沢を接辞にする地名をはじめ,道目木(どうめき)・戸呂淵(とろぶち)・川原など川にちなんだ地名が多い。現在の小淵野周辺は大きな淵になって川が流れ,そこに大蛇が住んでいたが,元和4年の大洪水で河道が変わり,淵が陸化したと伝承されている。下流の護岸工事は昭和9年春完成,記念としてソメイヨシノを植樹。このうち,角館古城(こじよう)山南西麓から約2km間の左岸堤防の桜367本は檜木内川堤サクラと称し,昭和50年国指定名勝となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7022650