100辞書・辞典一括検索

JLogos

20

丸子川
【まるこがわ】


鞠子(まりこ)川・丸木(まるき)川とよんだ時代もあり(大曲市郷土史資料第3集),仙北(せんぼく)町の民俗資料館に展示されている江戸期の地図にはあら川とも記している。仙北郡六郷町・千畑(せんはた)町・仙北町・大曲(おおまがり)市を流れる川。六郷町黒森山(763m)の北側にあたる湯田沢に発し,途中,善知鳥(うとう)・赤倉・払田(ほつた)・矢島・川口・窪堰(くぼせき)・福部内(ふくべない)の小支流を入れて,大曲で雄物(おもの)川に合流する。流路延長19km。横手盆地東縁には大小の沖積扇状地が複合して分布するが,なかでも当川による六郷扇状地は,同心円状の等高線が走るモデル地形。江戸末期から明治にかけて,河口は雄物川水運の船着場として利用され,両岸には浜蔵・大納屋のほか,舟宿・塩乾魚店・染屋・酒屋・舟大工・蝋燭屋・米屋・駄賃屋などが集中し,近くの八幡町には船頭・商人相手の小料理屋・芸妓屋が軒を並べ,終日にぎわった(前掲資料)。昭和11年,ドイツの建築家ブルーノ・タウトは,丸子橋から見た冬景色の美しさに感激し,著書「日本美の再発見」に大曲を紹介している。昭和50年,大曲市で丸子川左岸に,タウト記念碑を建立した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7023014