置賜野川
【おきたまのがわ】

置賜地方，長井市西部を流れる延長２万2,650mの一級河川。最上川の支流の１つ。磐梯朝日(ばんだいあさひ)国立公園内，朝日山地の主峰大朝日岳（1,870m）南麓に端を発する。標高600mの桑住平あたりから谷底は開けるが二次支流大桶沢を入れる木地山地区付近からは峡谷となり南流する。大字寺泉地内で長井盆地西縁に達して北東流に転じ，長井市街地の北部を経て大字成田地内で最上川に注ぐ。上流域の岩石は花崗岩で周囲は天然広葉樹林の林相を呈する。河川勾配が急で包蔵水力は大きいが，一面下流での水害も少なくなかった。昭和26年以来，県営野川総合開発事業が発足，同29年の第１期，36年の第２期工事とも完工し，管野(かんの)・木地山の２つのダムおよび野川第一・第二発電所が完成した。流域面積96km(^2)，うち96％を山地が占める。両ダムをぬって北上する県道木地山九野本線は朝日山地登山のルートでもあり，将来の観光資源として期待される。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7024154