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神室山地
【かむろさんち】


奥羽山脈の一部で,山形・秋田・宮城県にまたがる山地。第三紀層の安山岩から構成されているが,広く花崗岩が露出している。最高峰は小又山(1,367m)であるが,神室山(1,365m)を中心に,山稜が四方に延びている。東は栗駒山に,西は山形・秋田県境沿いに雄勝(おがち)峠に連なり,出羽山地に接している。北方は虎毛山を経て高松岳へと延びている。この神室山・虎毛山・栗駒山を結ぶ山域は,奥羽山脈中最も幅広い部分をなしている。全体として,標高1,000m内外の山々からなる亜高山帯であるが,激しい地殻変動と複雑な地質構造のため渓谷はV字型で深く,多くの滝を懸けている。山稜は西に緩やかで,東に急な非対称山稜をなし,山体はきわめて急峻である。山岳宗教全盛期には,窟室大権現が祀られ宿坊も多く,鳥海山に対して「東の御山」といわれる盛況ぶりであった。この山域は昭和43年栗駒国定公園の指定を受け,山形県では神室山・天狗(てんぐ)森・大鏑(おおかぶら)山・小又山・火打岳などの山々,および泉田川上流の渓谷地帯が属している。登山コースとしては山形県側から最上郡金山(かねやま)町・同郡最上町・新庄市の各地から,また秋田県側では雄勝(おがち)郡雄勝町から開かれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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