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清水廻り
【しみずまわり】


旧国名:出羽

(近世)江戸初期に見える地域名。最上郡のうち。室町末期から江戸初期にかけて当地方一帯を支配した清水氏の領国にあたる一帯を指す。清水氏は山形最上氏の庶族で,文明8年,最上氏の北進の拠点を築くために,現在の大蔵村大字清水に遣わされ,慶長19年まで当地方を領した。元和8年,新たにこの地方を領した戸沢氏に対して幕府が下した領地目録と思われる御前帳写(新庄市立図書館蔵,戸沢家文書)が初見。これによれば,清水廻りの範囲および村高は,長沢村1,068石余・蔵岡村355石余・神田村852石余・古口村501石余・猿羽根村1,080石余・堀内村593石余・南山村205石余・赤松村421石余・角川村849石余・合海町本合海776石余・清水村1,309石余・十日町村1,171石余・萩野村1,188石余・飛田村791石余・川口村828石余・中渡り村101石余・曲川村88石余・羽根沢村19石余・福田村479石余・鳥越村1,112石余・仁間(にけん)村389石余・金沢村2,165石余・角沢村495石余・升形村858石余・舟形村643石余・田沢村753石余・経塚村1,315石余・新城村2,156石余の28か村2万2,560石余である。これは現在の新庄市(新城村・合海町本合海の一部,十日町・萩野村・飛田村・福田村・鳥越村・仁間村・金沢村・角沢村・升形村),舟形町(猿羽根村・堀内村・金沢村),大蔵村(南山村・赤松村・合海町本合海の一部,清水村),戸沢村(蔵岡村・神田村・古口村・角川村),鮭川村(川口村・中渡り村・曲川村・羽根沢村・田沢村・経塚村)にあたる。清水廻りの呼称は江戸期を通じて用いられたが,公式には南本町郷・北本町郷・舟形郷・古口郷・川口郷・庭月郷などに分けて呼ばれた。最上地方,現在の新庄市・舟形町・大蔵村・鮭川村・戸沢村に含まれる。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7025424