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須川
【すかわ】


宮川ともいう。また上流部を萱平(かやだいら)川ともいう。村山地方南東部,延長4万4,327mの一級河川。最上川の支流の1つ。蔵王国定公園内の舟引山(1,173m)西麓に端を発し,上山(かみのやま)盆地・山形盆地南半を北流して天童市大字寺津地内で最上川に注ぐ。流域面積124km(^2)。上流部で菖蒲川・金山川,上山市街地南部で生居(なまい)川,市街地北部で前川・蔵王川・酢川を入れる。上山市街地周辺は上山盆地北端・山形盆地南端にあたる狭塞部であるが,これは,本来両者一連の盆地であったところに,東方の滝山(1,362m)から押し出された泥流層により閉塞分離され,その後須川によって開析されたものである(県史本編1)。山形盆地では本沢川・小鶴沢川・馬見ケ崎(まみがさき)川・立谷川を入れるが,特に馬見ケ崎川・立谷川による堆積作用が著しく,須川流路は盆地西部に押しやられ,東にひらく緩い弧状となった。山形盆地南部の幹川的存在であるが,蔵王火山に発源する数条の支流は,わが国有数の強酸性鉱毒水であったため,長い間有用性を欠いてきた。蔵王温泉を水源とする支流酢川の名が端的にこれを示し,須川の河川名もこれら河川水を入れることに由来する。昭和35年以来,基礎調査・鉱毒防止対策工事が行われた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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