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玉川
【たまがわ】


西置賜(にしおきたま)郡小国(おぐに)町西部を流れる延長23.5kmの一級河川。荒川の支流の1つ。町南部の飯豊(いいで)山に端を発して北流する。河川名の玉は霊・魂に通じ神聖なる意とされるが,飯豊山には古くから信仰があり,山頂(2,105m)には飯豊山神社がある。上流部標高900m前後の地点には文覚滝(文覚沢)・黒滝(人門沢)・赤滝(石コロビ沢)・梅花皮(かいらぎ)滝(梅花皮沢)・不動滝(檜山沢)などがある。風下斜面における積雪・融雪に関連して形成されたものと推測される。小国内川を合わせる長者原(大字小玉川)付近から谷底はやや広がるが,足水川との合流点付近から再び峡谷となって荒川に注ぐ。上流河床は崩落した花崗岩石が多いが,流下にしたがい礫・粗砂を混じ,荒川との合流点付近は地上水混入による泥土もある。水質は上流の微弱酸性から順次微アルカリ性に転じ,水温が低いことから付着藻類も僅少である。このため魚族は冷水性が主であり,生息量は多くない。長者原発電所は民営ながら最大出力1万2,000kw。支流の小国内川下流にある小玉川集落(大字小玉川)はマタギ集落として知られる。米沢藩政時代に最上川水系置賜白川の水不足を補うため開削された飯豊山穴堰は,玉川上流大又沢水源近くで取水し,置賜白川上流に連絡する。県史跡に指定されているが,昭和42年の羽越水害で崩壊し,現在水が流れていない。近年復興計画がたてられ委員会が発足している。俗化しない数少ない山岳としての飯豊山登山口でもあり,泡の湯温泉や清流・渓谷の美を求めて訪れる人が年々増加している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7026141