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月布川
【つきぬのがわ】


上流部を古寺(こでら)川ともいう。西村山郡大江町を貫流する延長24.2kmの一級河川。最上川の支流の1つ。朝日山地小朝日岳(1,648m)と鳥原山(1,430m)の間に端を発する。徳沢川との合流地点付近からは峡谷を脱し,水田化された狭隘な低位段丘面をぬって,蛇行しながら東流する。南北方向に交わる谷の開析がよく発達し,これら各支流との合流点には多くの歴史を語る古い集落が立地している。大字貫見(ぬくみ)付近左岸の御楯山は,鎌倉期以来寒河江(さがえ)荘を支配した大江氏最後の城主高基が天正12年最上義光に敗れ最後を遂げた地。小釿(こじゆうな)集落(大字小釿)付近からは,寛政7年鈴木庄兵衛の開削になる北堰と成立不詳の南堰が取水し,それぞれ左岸・右岸を灌水している(県史本編1)。大江町の中心地大字左沢(あてらざわ)付近で最上川に注ぐ。左沢は古くから最上川舟運の船着場として栄えたが,大正11年の国鉄左沢線の開設以来,往時の面影は薄れた。有名な最上川舟唄発祥の地でもあり,町内の日本一公園にその碑が建立された。河川名は中流の集落名にちなむ。旧河川名は漆(うるし)川。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7026234