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船形山
【ふながたやま】


奥羽山脈を形成する船形連峰の主峰をなす火山。御所山ともいう。山形・宮城県境のほぼ中央に位置する。標高1,500m。宮城県側からみると,頂上は平坦で両側が張り,漁船の形に見えるところから船形山が一般的。本県側でなじみ深い御所山の名称は,承久の乱で佐渡に流された順徳上皇が,ひそかに脱出し,この山に潜み住んだという伝承から生まれたとされている。本山は,北方の薬師森(1,500m),南東の蛇ケ岳(1,400m)・三宝山(1,417m)などとともに,鏡ケ池・湯谷池を火口底とする爆裂火口の外輪山である。これらの山々は御所新火山系に属する。一方,楠峰(1,211m)・仙台カゴ(1,210m)・白髪(しらひげ)山(1,284m)・柴倉山(1,276m)・白森山(1,254m)・黒伏山(1,227m)などが御所旧火山系としてまとめられる。これら新旧両火山系の総称が船形連峰である。御所山北西を流れる丹生(にう)川には塩基性安山岩の柱状節理が発達し,層雲峡と呼ばれる渓谷美で知られている。山頂に御所山神社が鎮座する霊山として,人々の信仰を集めている。史跡・板碑・伝承が多く,古くから山岳修験道の山として栄えていた。修験上では山岳道場で最も高い峰を「大峰」と呼び,そこに達するまでのいくつかの峰にはそれにふさわしい山岳仏教上の山名がつけられている。東根口から,黒伏山―月天森(最上カゴ)―日天森(仙台カゴ)―御前峰(楠峰)―大峰(御所山)はその例である。従って,御所山を五所山と書くこともある。山域は昭和26年に御所山県立自然公園の指定を受けている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7027383