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村山地方
【むらやまちほう】


県中央部の地域名。県を4つの地域に区分,置賜(おきたま)・村山・最上・庄内と呼ばれる地域名の1つ。山形・上山(かみのやま)・天童・東根(ひがしね)・村山・寒河江(さがえ)・尾花沢(おばなざわ)の7市と東村山・西村山・北村山の3郡(7町)からなる。面積約2,620km(^2)は全県の約28.1%。昭和55年の世帯14万6,527・人口55万8,944。東の奥羽山脈と西の出羽山地とにはさまれた最上川中流域とその支流須川・寒河江川・丹生(にう)川などの流域。四方にそびえる白鷹山・月山・朝日岳・蔵王山・船形山(御所山)・葉山などが平地から眺望される風光明媚な土地である。主な平地は上山・山形・尾花沢の3盆地で構成されており,奥羽山脈の西縁には馬見ケ崎(まみがさき)川・立谷川・乱川(みだれがわ)の3大扇状地が連なっている。馬見ケ崎川扇状地には県内最大の山形市が立地し,本県の政治・経済・交通・文化すべての中枢機能を有する。当地方の東部には国道13号・国鉄奥羽本線が並行して南北に通り,上山・山形・天童・東根・村山・尾花沢の各市が連なり相互に極めて密接なつながりを持ち,山形を中心とする広域圏を形成,都市化・工業化が著しい。山形から西方へは国鉄左沢(あてらざわ)線が通り,当地方西部と結んでいる。寒河江市を中心とした田園都市が点在するが,山間部では過疎化が進行しており人口の市部への集中が顕著である。村山地方は古くは紅花(べにばな)・青苧(あおそ)生産の中心地として有名であり,県内一の商品作物生産地帯であった。紅花衰退以後は養蚕が普及したが第2次大戦後は縮小されホップ・タバコなどの換金作物が主力となっている。当地方の水稲は全国有数の高い反収を誇り,果樹ではリンゴ・ブドウ・洋ナシ・サクランボなどの栽培が盛んである。開発の遅れていた立谷川・乱川両扇状地では果樹のほか内陸工場団地の造成が活発に進められ,県都山形市にも至近の距離にあるため,立地条件に秀で著しい変貌をとげている。また当地方の中心都市はいずれも温泉を有しており,観光面でも重要な機能を果たしている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7027847