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最上地方
【もがみちほう】


県北部の地域名。県を4つの地域に区分,置賜(おきたま)・村山・最上・庄内と呼ばれる地域名の1つ。新庄市と最上郡(4町3か村)からなる。面積約1,806km(^2)は全県の約19.3%。昭和55年の世帯2万5,385・人口10万4,658。東の奥羽山脈と西の出羽山地にはさまれ,平地は新庄・向町(むかいまち)の2盆地が主体。中央を国道13号と国鉄奥羽本線が南北に通り,これと交差して国鉄陸羽西線・同陸羽東線・国道47号が東西に通る。周囲はすべて山地で囲まれ,最上小国(おぐに)川・鮭川・銅山川(烏川)・角川などの諸河川はすべて南西部を西流する最上川に注いでいる。河川に沿って河岸段丘や開析扇状地が発達し,地形は複雑で変化に富むが,耕地は狭小である。また最上川は当地方において曲流が激しく川幅は狭く,水量は豊かとなって古代以来の重要な交通・輸送路となっていた。地方経済・文化・交通の中心は江戸期からの城下町である新庄市。江戸期には当地方全域が新庄藩領に属したので同藩統治の影響を色濃く受けている。地形などの関係から県内では最も開発が遅れた。寒冷多雪な地方で夏季にもしばしばヤマセと呼ばれる太平洋側からの冷気の影響を受け,秋季早冷で融雪期は遅い。また利水も不便であるため農業中心の経済構造ではあるが稲作に不利で特産物にも乏しい。産業は稲作と金山杉に代表される林業が主で,畑作では養蚕に特色がある。在来の木材加工・罐詰・窯業などに加え,近年では弱電・化学などの企業誘致も活発化している。県の第5次総合開発計画では尾花沢(おばなざわ)・大石田の2自治体を加えて新庄地域とし,地下資源や水利資源の開発,国土保全や災害防除を主たる目標とした地域の振興が図られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7027875