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屋代郷
【やしろごう】


旧国名:出羽

(近世)江戸期に見える郷名。置賜(おきたま)郡のうち。中世以来の伝統的な地域名で,戦国期の屋代荘に相当するものと思われる。属した村々は,「米沢事跡考」によれば,河井・長手・和田・新町・亀岡・高畑(高畠)・安久津・新宿・右湯ノ原・梓山・堂森・桑山・金谷・竹井・木和田・佐沢・馬頭・新田・浅川・露藤・舟橋・高那次・塩野森(塩森)・郡山・金原・中里・柏木目・深沼・入生田・福沢・夏刈・一本柳・間野森(相森)・三丁ノ目(三条目)・川沼・根岸の36か村。また,正保3年の出羽之内置賜郡長井四ケ荘高之帳によれば屋代荘とあり,上記のうち,新町・亀岡・右湯ノ原・高那次・郡山の5か村を除き,文殊寺・泉岡・竹森・高安・小郡山・時沢の6か村を加えた37か村になっている。同史料によれば,村高の合計は3万4,125石余。屋代郷は,寛文4年の米沢藩減封の際幕府領となったが,元禄2年~寛保3年,安永2年~寛政2年の時期を除いては米沢藩の預り地であった。また屋代郷のうち,高畑・小郡山・泉岡・塩野森・間野森・柏木目の6か村は,寛保3年から嘉永元年まで織田氏の所領であった。文久3年,幕府は米沢藩に対し,屋代郷の私領同様の取扱いを承認した。これに反対して屋代郷騒動が起きたが,これは幕府の裁定により農民側の完敗に終わった。置賜地方,現在の高畠(たかはた)町・米沢市のあたり。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7027969