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会津山地
【あいづさんち】


福島県の南西部にあり,南会津郡田島・只見・下郷の3町,南郷・伊南(いな)・舘岩・檜枝岐(ひのえまた)の4村,さらに大沼郡金山(かねやま)・三島の2町に昭和村を合わせた10町村,約3,000km(^2)に広がる山地。大部分が新第三紀の緑色凝灰岩や流紋岩などと,それらを覆う第四紀初頭の石英安山岩質溶結凝灰岩から成り,南西部に古生層の砂岩・粘板岩等とそれらを貫く花崗岩類があらわれている。地形的には,標高1,000mから2,000mを超える大起伏山地であるが,山頂を連ねた切峰面(せつぽうめん)はきわめて滑らかで,溶結凝灰岩の溶岩台地面の名残(山地中央部の駒止(こまど)高原付近が最も広い)と,凝灰岩堆積以前から存在した広大な浸食平坦面の遺物を示している。大起伏・急斜面を特徴とする壮年山地が一般的であるが,阿賀川(大川)および只見川水系の河谷が十分に発達しており,山間に延びる谷間には山地の奥まで集落の立地をみる。山地内各地を結ぶ交通路は標高1,000m以上の峠を越えるものが多く,人口分布や産業活動,日常生活の孤立性・隔絶性が著しい。全国有数の豪雪地帯であり,貴重な水資源を包蔵する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7028509