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会津地方
【あいづちほう】


県西部の地域名。県を3つの地域に区分し,中通り・会津地方・浜通りと呼ばれるが,その地域名の1つ。会津若松・喜多方の2市と,耶麻(やま)・北会津・南会津・河沼・大沼の5郡(15町11村)からなる。面積5,342km(^2)は全県の38%を占めるが,人口は約34万人(昭和54年)で全県の約17%。西は越後山脈,南は帝釈(たいしやく)山脈,北から東にかけては吾妻・安達太良(あだたら)火山群などをのせる奥羽山脈で限られ,他の地域とを結ぶ交通路は標高の大きな峠か,険阻な峡谷部を通らざるを得ず,本地域の自然的な隔絶性を強めている。北部に広がる会津盆地と,猪苗代湖をかかえる猪苗代盆地が比較的広い平坦地を広げるほか,全体として起伏の大きな山地によって占められるので,人口・集落などの分布は阿賀川・只見川両水系の河谷沿いの山間盆地や谷底平野に集中している。気候的には,冬季の積雪が多いいわゆる日本海式気候型に属する。特に南会津の只見地方は最深積雪4mに達し,わが国有数の豪雪地帯である。その雪も,融雪水として只見川に集まるので水資源としては貴重なものとなる。会津地方は厳しい自然環境の中にあって,豊かな歴史的・文化的遺産とスケールの大きな景勝地に恵まれ,全域が一大観光圏となっている。北東部には磐梯山・猪苗代湖を含む磐梯朝日国立公園,南西部には燧ケ岳(ひうちがだけ)・尾瀬沼・尾瀬ケ原を中心とする日光国立公園の一部,只見川上流には田子倉湖・奥只見湖などを含む越後三山只見国定公園などが広がり,県立自然公園も大川羽鳥・只見柳津の2つがある。これらの観光スポットが,広い会津地方に散りばめられているので,それらを相互に結ぶ交通路の整備への要請が,産業・生活基盤の充実とあいまって今後いっそう高まるであろう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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