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会津布引山
【あいづぬのびきやま】


猪苗代湖の南岸から南へ約10km,会津若松市・郡山市・岩瀬郡天栄村にまたがる山。山頂付近がまったく平らなテーブル状の山容が,猪苗代盆地から見ると反物を横に広げたように見えることからこの名がある。第四紀の初め頃噴出・堆積した石英安山岩質溶結凝灰岩から成る溶岩台地で,周辺部からの河川浸食がまだ及んでいない台地原面は,東西4km・南北2kmの広がりをもつ。標高は,台地東端と南西端にあるそれぞれ1,081.7mと1,081.4mの三角点で示されるようにほぼ1,080~1,000mで,浅く開いた谷を伴うなだらかな小起伏面が展開する。地形上のこのような特色を生かして,近年,高冷地野菜団地がつくられ,郡山市農協の布引高原野菜生産部会が設置された(昭和46年)。郡山市湖南町からの通勤耕作によるダイコン栽培が行われ,昭和53年には京浜地方へ3,000tを出荷した。連作の弊害を避けるため,最近は牧草やキャベツの栽培も行われるようになった。なお,会津布引山と同様の地形・地質をもつ山に,白河布引山(930~950m)がこの南約8kmにある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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