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赤井川
【あかいがわ】


会津若松市湊町西田面(にしたづら)南西部,背中炙(せあぶり)山東麓の大清水と呼ばれる湧水を水源とし,背中炙山と,猪苗代湖西岸の低い丘陵列(標高600~660m)との間を北流して戸ノ口で日橋(につぱし)川に合流する延長約8kmの川。かつて猪苗代湖水位が現在よりも約20m高かった頃,赤井川の谷底も湖面下にあり,水が引いた後も湿地が広く残された。北端にある赤井谷地(あかいやち)はその名残。全体的に泥炭などから成る埋積谷を排水するため,赤井川の水流は泥炭を構成する植物片などの微粒子を含み,やや暗色を呈している。赤井川の名は旧赤井村(北西山麓の穴切坂に赤い色の水の湧く井戸があったことによる)を流れることから付いたもので,赤井川の水色とは関係ないらしい。また,赤井川の流路は谷の東側にかたよっているが,これは,西側背中炙山斜面からの支谷群が大量の砂礫を搬出して山麓に扇状地をつくり,本流の流路を東に押しやった結果である。東側の低い丘陵地からは支谷もほとんどなく,その山麓線は溺れ谷型を示している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7028539