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阿賀川
【あががわ】


会津盆地を縦断して日本海に注ぐ。1級河川。栃木県境に源を発する大川(現在の国土地理院発行の5万分の1地形図では大川筋も阿賀川となっている)が会津盆地を縦走し,日橋(につぱし)川と合流して阿賀川となる。さらに耶麻(やま)郡山都(やまと)町で尾瀬に源流を発する只見川が合流し水量を増す。新潟県に入ると阿賀野川となる。阿賀川の延長137km。認定本支流総延長1,502km,流域面積5,870km(^2),年総流水量94億2,900万t。越後山地を横断する先行河川である。以前は揚川(あががわ)と書き,赤川と書いた記録も見える。より古くは会津川と呼ばれていた。白柳秀湖によると「アイヅ」も「アガ」も「アサカ」も安曇族(あずみぞく)の語源に発し,水に関係したことばであり,会津・阿賀・安積もあとからの発音に当てた文字といわれている。水運路としての利用は古く,「日本書紀」に「斉明帝の4年に都岐妙羅柵(つきさらのさく)に船艦をそなえ,阿倍比羅夫(あべのひらふ)はここを根拠地として蝦夷征伐を行った」とある。都岐妙羅柵とは津川のことであるといわれている。蒲生氏郷が元和4年に阿賀川水運開設に着目し,水路を塩川・津川間に計画するが不成功。保科正之も正保2年に通船工事を行っている。享保14年には藩主正容が修復工事を行っており,運賃も定められた。阿賀川水運の起点は耶麻(やま)郡塩川町で新潟県津川町が終点である。ここで外航船に積み替え日本海・大坂へと会津藩の貿易路として大きな役割を果たした。しかし河底の深浅と激流のため各所に難所があった。耶麻郡西会津町群岡の銚子ノ口などでは1度陸揚げし陸送後,徳沢から再び船積みしている。現在は各所にダムができ流れも緩やかになり,耶麻郡高郷村では県営ボートレース場もあり,発電の川に変わっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7028550