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飯豊山
【いいでさん】


福島(耶麻(やま)郡山都(やまと)町)・山形・新潟3県にまたがる飯豊山塊の主峰で,標高2,105mの飯豊本山のほか,南西に御西(おにし)岳(2,013m),大日岳(2,128m),牛首山(1,982m),西大日岳(2,092m),南東に草履塚(ぞうりづか)(1,908m),種蒔(たねまき)山(1,791m),三国岳(1,631m)などが連なり,全体として飯豊山地・飯豊連峰などと呼ばれる。福島県から離れた北西方向にも,烏帽子(えぼし)岳(2,018m),北股(きたまた)岳(2,025m)などの山稜が続く。3県境が1点に会するのは飯豊山の西2kmほどの御西岳山頂の西側であるが,三国岳からこの地点までの約8kmは,古くからの山岳信仰の聖地飯豊山神社への登山路として幅の狭い稜線伝いに開かれたところで,この部分のみ福島県の領域が細長く飛び出した形になっている。飯豊山を構成する地質は,古生層の基盤岩類と花崗岩で,地形的には第三紀末頃までに準平原化された小起伏地が,第四紀初めの大規模な隆起運動を受けて盛り上がった地塊山地である。磐梯朝日国立公園の一翼として,急峻な山容,豊かな雪渓と高山植物の群落など,東北アルプスの名にふさわしい景観をもつ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7028814