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飯盛山
【いいもりやま】


会津若松市一箕町大字八幡の滝沢にある山。標高約372.6m。慶応4年戊辰戦争の折,白虎隊士20名が自刃(うち1名は蘇生)した地として知られ,会津観光の中心として観光客でにぎわう。会津盆地東部に連なる地塁状山地の一画にあり,背後から南部へ次第に高くなり,背中炙(せあぶり)山,吹矢山と続き猪苗代盆地と境している。東方から会津へ入る通路はいずれもこの山地を越えていた。飯盛山は元来,宗像(むなかた)神社の祀られたところであり,西麓に,本社(明治以後は厳島神社と改称),宇賀神堂・円通三匝堂(通称さざえ堂)などがある。神社の造営は永徳年間にはじまると伝えられ,この造作の折,童女が赤小豆飯を器に盛り,役夫に食べさせたところいくら食べても尽きることがなかったという。山の名はこの伝説に由来する(新編会津)。別名の弁天山の名もこの神社が弁財天を祀ったことからきたもの。白虎隊自刃の地は,山の中腹,西方に市街地や盆地を望む所にある。近くに自刃し果てた19士の墓や,イタリア首相ムッソリーニ寄贈の碑,ドイツ武官碑,藩主であった松平容保が詠んだ追悼歌碑などがある。また,全山赤松におおわれ,これにちなんで昭和54年,赤松は市の木に指定された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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