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泉崎横穴
【いずみざきよこあな】


西白河郡泉崎村大字泉崎字白石山に所在。国史跡。時期は7世紀とされている。東北地方装飾横穴発見の第1号で,学史上著名である。丘陵の南斜面にあって,昭和8年12月,県道工事中数基の横穴とともに発見された。羨門は,幅65cm・高さ76cmのアーチ型で,玄室は幅1.95m・奥行2.1m・高さ1.12mの宝形造りである。棺床は一段高く縁どりされ,幅60cmで水抜穴2個を穿ち,玄室中央の排水溝につないでいる。奥壁正面の壁画は,騎馬人物が弓で狩りをしており,前方には角の長い獣が走り,4人の勢子が正面を向いて手をつないでいる。左側には,裳裾をつけた女性3人が,横向き姿で高坏を捧げている。右壁にも馬と飼料桶のようなもの,左壁には鞍を置いた馬を人がひいている姿と思われる表現がある。天井には左巻き・右巻きの渦文・円文・珠文がある。いずれも赤色顔料で,ベンガラとみられている。副葬品は直刀・刀子・鉄製環で,ほかに付近から発見された須恵器(高坏)・土師器とともに泉崎第一小学校に保管されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7028925