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一切経山
【いっさいきょうやま】


福島市と耶麻(やま)郡猪苗代町の境にあり,東吾妻火山群の主峰。標高1,948.8m。吾妻山大巓,一名思山(ものおもいやま)(郡村誌),「信達志」では南家形とし,「大笹生邨蓮光寺開山勇猛法師法華経を一字一石に書写し峯上に埋め塚を築しなり」と述べている。山名はこれによるものか。東面は急勾配でブス(毒の意)や浄土平の旧噴火口にのぞみ,山頂は比較的平坦であるが火山の原形はすっかり崩れてしまった。東方にのびる尾根にはラクダ・霜降山・百足(むかで)山など岩峰が裸出している。南方八幡穴付近の急崖からは噴煙を吹いている。北側の五色沼(雷沼(かたちぬま))の火口湖を隔てさらに北方には家形山(北家形)があり,南家形とともに東屋岳神社の神体であるという。雷沼は東屋沼神社の神体(信達志)。東方にはヤエハクサンシャクナゲの自生地があり,国の天然記念物に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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