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越後山脈
【えちごさんみゃく】


福島・山形・新潟3県にまたがる山脈で,北は出羽山地,南は三国山脈に続き,奥羽山脈南半部とほぼ平行する。大部分が磐梯朝日国立公園と日光国立公園に含まれる。北から月山(がつさん)・湯殿山(ゆどのさん)・羽黒山の出羽三山にはじまり,朝日岳(1,870m)を主峰とする朝日山地,花崗岩から成り非火山性山地としては東北地方屈指の高度を誇る飯豊(いいで)山地,福島・新潟県境にそびえる浅草岳火山(1,585.5m),古生層の粘板岩などから成る会津駒ケ岳(2,132.4m)を経て,平岳(ひらがたけ)(2,140m)・駒ケ岳(2,003m)・中ノ岳(2,085m)などの越後三山只見国定公園の山々に至る。越後山脈の形成は,第三紀末から第四紀初め頃活動したと思われる北東~南西方向の主断層と,これに斜交する多くの断層系の動きに伴う大がかりな隆起運動にはじまり,2,000m近い高度の獲得,深い河谷の発達,急斜面の形成という経過で,現在みる壮年山地となった。これら山地の山頂付近には,高さ2,000m前後に浸食平坦面の名残が認められ,隆起前にはかなり広い範囲にわたって小起伏面が広がっていたらしい。山脈の南端部には,東北地方最高峰の燧ケ岳(ひうちがたけ)(2,346m)があり,その南麓に尾瀬沼と尾瀬ケ原をかかえる。只見川はここに源を発して,越後山脈に並行して北流し,阿賀川となって山脈に横谷をうがって横断する。山脈を横切る交通路には,国鉄米坂線・磐越西線・只見線,国道49号・112号(山形~鶴岡)・113号(相馬~坂町)・252号(会津若松~柏崎)・352号(今市~長岡)がある。かつての六十里越・八十里越の難所は,トンネルなどで改良されたものの,なお難所の名残をとどめる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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