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大滝根川
【おおたきねがわ】


田村郡東部から郡山市東部にかけて流れる阿武隈(あぶくま)川の1支流。1級河川。延長51.4km。流域面積386.5km(^2)。田村郡常葉(ときわ)町の南部,大滝根山西斜面に源を発し,大越町大字早稲川,常葉町大字小檜山を北流し,常葉町常葉地区から西に向かい,船引町船引地区を経て,大字春山から南西に転じ,三春町大字柴原,同西方を経て,郡山市中田町赤沼に至り,ここより北西に転じ,同市横川町付近で阿武隈川に合流する。主な支流は船引町船引地区で合流する牧野川(延長21.3km)と阿武隈川合流点直前で合流する谷田(やた)川(延長23.0km)。牧野川は,大越町大字牧野より発し南東へ流れるが,滝根町大字菅谷で急に北に向きを変え,その後北西に向かう。菅谷地区では南流する夏井川の支流梵天川との間に,ほとんど平坦な分水界で接している。谷田川は,郡山市田村町田母神(たもがみ)に発し北西へ向かい田村町守山で北に転じ,大善寺・金屋を経て下行合(しもゆきあい)で大滝根川に合流するが,この合流点付近は,河川改修する以前の阿武隈川の河道であり,谷田川と大滝根川は,もとは阿武隈川にそれぞれ合流していた別の支流であった。したがって,河川改修の結果谷田川は大滝根川の一大支流となり,大滝根川の流域面積はかなり広くなった。郡山市田村町の西部を除けば,大滝根川流域の大半は阿武隈山地西部の丘陵地域で,樹枝状谷が複雑に分布し,その谷底平野は水田に,周辺の低い段丘面や丘陵斜面などが畑地となり,全般的には水田より畑地の多い地域を成し,特に船引町・大越町・常葉町は県内の主要葉タバコ産地となっている。船引町光大寺地区と三春町大字滝,同柴原および同西方には,日本化学所有の発電所があり,また三春町大字西方地先には洪水調整・灌漑用水・都市用水等多目的利用の三春ダム建設が計画されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7029501