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小川
【おがわ】


福島市にあり,摺上(すりかみ)川に飯坂温泉の南部で合流する1級河川。延長約10km。現在の国道13号が走る谷を刻み,葡萄沢(ぶどうざわ)山(967m)の北東斜面に源流をもつ。栗子山に源をもつ摺上川,板谷峠に発する松川の間にあり,流域面積は比較的小さい。しかし盆地底に出てからの扇状地形成およびその下刻に見せた作用は大きい。小川の谷筋は深い峡谷をなし,ここに福島・米沢を結ぶ万世大路が開かれ,大滝・朴沢(ほおのきざわ)・杉ノ平などの宿場的集落も存在したがこれらの集落はまったくなくなった。また谷口には堰場(せきば)と称され,小川堰・井野目堰などの著名な用水堰入の導水口となっている。またここから飯坂までは小川がみずから堆積した扇状地扇央部を下刻するため,高さが数十mに及ぶ大きな段丘崖をつくっている。かつての大鳥城の麓を流れ,小川扇状地には医王寺があるなど史跡に富む川であり,また縄文時代の月崎遺跡がある。谷口に近い段丘崖に祀られた中野不動尊も地方の信仰を集めている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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