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翁島
【おきなじま】


耶麻(やま)郡猪苗代町の猪苗代湖北西端にある小島。猪苗代湖長浜の南西にある島で,石英安山岩質の火砕流によって覆われており,泥流丘といわれる。周囲約1.5km,面積約7haの小島で無人の島。磐梯朝日国立公園のうち。島には猪苗代湖水面より2~3mの比高をもつ湖岸段丘が島の西側でよく発達している。国道49号からよく見える。冬季は水位が下がるため陸続きとなることがある。この地に昔,「おきな」と呼ぶ心やさしい乙女が住んでおり,弘法大師を親切にもてなしたため,水没からまぬがれた。そのためこの島をおきな島と呼ぶようになったという伝説がある。また,この島に「オキナオウナ」が住んでいた所だからとの話もある。「新編会津」には「……東西二町三十間南北二町余雑樹生茂れり。村老の説に昔夫婦の老人あり。ここにすむこと久しく因って名づくという。中に小祠あり翁明神という。又,真言の徒重想という僧この島に住居し永享中金曲村宝生寺を開けり。又元和の頃興海という僧ここに住し河沼郡牛沢組塔寺村の観音堂を再建す。今も上人舟着というところあり」と記されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7029719