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鮫川
【さめがわ】


東白川郡鮫川村戸草付近に源を発し,古殿町を経ていわき市勿来(なこそ)地区で太平洋に注ぐ河川。延長約60km,流域面積538km(^2)。上流では樹枝状の谷をきざみ,竹貫(たかぬき)・松川付近では埋積谷をつくるが,大原(だいばら)からは峡谷状をなして御斎所の峡谷へと流れ,いわき市遠野町根岸で南に流れをかえ井戸沢まで山地を切って流れ,井戸沢からは平地を流れ,植田町・錦町の間を経て河口では菊多浦の砂洲にさえぎられて屈曲している。この川筋は,海産物を内陸へ,米を海岸へ運ぶ御斎所街道としても利用され,今でも浜通り南部と中通り南部の重要な連絡ルート。国鉄バス石川植田線が通じる。また河川水は,鮫川・柿沢両発電所での水力発電,高柴ダム・勿来工業用水道により上水道・工業用水に利用されている。河口付近には常磐共同火力の発電所がある。峡谷に相当する石住・貝屋・神山・才鉢(以上いわき市)あたりでは結晶片岩質の鮫川石を産し,庭石として出荷されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7031158