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背中炙山
【せあぶりやま】


会津若松市の東部,会津盆地と猪苗代盆地を分ける分水界をなす山。標高800m前後の山稜が南北方向に細長く連なる。山頂付近はなだらかな斜面の広がる小起伏地で,全体として背中炙高原と呼ばれることもある。背中炙の名は,昔,猪苗代盆地側の人々が,朝日を背中に浴びてこの山を越えて若松に向かい,帰りもやはり背に夕陽を受けながらこれを越えたことによると伝えられる。地形・地質的には,第四紀初頭に噴出・堆積した石英安山岩質溶結凝灰岩(背中炙山層)のつくる溶岩台地で,その源ははるか南15kmほどにある会津布引山(1,081m)につながる。現在,この台地の原面(げんめん)は山頂付近の小起伏面として幅広い尾根上に残っているものの,西側は湯川の,東側は赤井川の各支谷群によって深く刻まれて,中腹以下は険しい山容を呈している。台地面上には,823m・835m・801mなど,幾つかの高まりがあり,それらを総称して背中炙山の名があるわけで,特定の山頂を指すものではない。西麓東山温泉からはケーブルやリフトが通じている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7031807