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相双丘陵地
【そうそうきゅうりょうち】


相馬郡・双葉郡の阿武隈(あぶくま)山地東麓から太平洋岸に及ぶ丘陵地。相馬・原町の2市と相馬・双葉の両郡に属する8町4村にまたがり相双地域のうち阿武隈山地を除いた部分。阿武隈山地東部の低地は南北80kmに達するが,幅が狭く,その大部分は丘陵地で占められ,また相双丘陵南部はほとんど低地がなく開発が遅れていた。双葉郡には,ここの第三紀層中最も新しい富岡層が分布し,その地域には段丘面が最も広く発達していて,段丘は5段に区別される。第3段丘は双葉郡大熊町の野上原・長者原,双葉郡富岡町の本岡・上手岡,双葉郡楢葉町の上繁岡・下繁岡のように,原・岡と呼ばれ,最も広い原面を残している。旧相馬郡などの北部では野馬追原(雲雀ケ原)などが第3段丘に相当するが,高度はやや低くなる。野上原・野馬追原などは扇状地状の地形を示すが,表面を被覆する堆積層は薄く10mぐらいである。海岸線は入江と入江の間には岬角が出入していたが,海波の浸食で,20~30mの高度の海崖が形成された。この海崖に港を造り,大規模の火力発電所や原子力発電所が造られ様相が近代的になった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7031896