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只見川
【ただみがわ】


福島(南会津郡檜枝岐(ひのえまた)村)・群馬両県の県境にある尾瀬沼(水面高度1,665m)および尾瀬ケ原(ほぼ1,400m)を水源とする只見川は,平滑(ひらなめ)の滝・三条ケ滝を経て深い峡谷となり,南会津郡只見町あたりから下流で河岸段丘を伴いながら穿入曲流路をつくって耶麻(やま)郡高郷(たかさと)村・山都(やまと)町の境で阿賀川に合流する。1級河川。流路の長さ137km,流域面積は,支流の伊南川の流域を含めて2,260km(^2)。阿賀川水系の2大支流の1つであるが,ほかの1つ大川が,その流域に田島盆地と会津盆地を擁するのに対し,伊南川沿いに狭長な谷底平野を伴うほか,広い低地をほとんどもたない只見川は,昭和初期までは「ただ見て通れ」といわれたほど,豊富な水量も眠ったままであった。水資源開発の進展につれ,わが国有数の深雪地帯を流域にもつ只見川が大いに注目されるようになり,第2次大戦後,田子倉発電所(最大出力39万kw)用の田子倉ダムはじめ大型の堰堤式ダムが次々とつくられた。田子倉ダムのほか,奥只見・大鳥・滝・本名(ほんな)・上田(うわだ)・宮下・柳津(やないづ)・片門(かたかど)の各ダムがそれである。只見川に沿っては国鉄只見線・国道252号が走り,会津地方南西部の大動脈となっているが,冬期間の豪雪,融雪期の雪崩など,自然条件は厳しいものがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7032189