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舘ノ山
【たてのやま】


丸山ともいう(奥の細道)。福島市,飯坂温泉の西にある山。標高230.2m。新第三紀の凝灰岩から成る山。山頂付近によごれた円礫層があり,大鳥城の本丸跡・矢倉跡などが空濠または土塁に囲まれて旧態を残している。この城は寿永元年佐藤荘司基治が築造したと伝える。そのおり大きな白鳥を生き埋めにして守護神としたことから大鳥城と呼ばれた。本丸跡は660m(^2)ほどの平坦地で,その西側に基治・継信・忠信を祀った大鳥神社がある。矢倉跡はその西にあり,弓矢その他の武具・兵糧を蓄えた倉庫跡である。東斜面の中腹には一の取手(いちのとりて)・二の取手・三の取手が並ぶ。攻め登る敵をここで要撃するために使用する要地である。館は南東麓の台地上にあって,現在大鳥中学校や市営グラウンドの敷地に利用されている。大手門はその東方にあり,空濠や土塁が残されている(大鳥城記)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7032230