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椿山
【つばきやま】


弁天山ともいう。福島市渡利の阿武隈(あぶくま)川岸にそびえる小丘。標高142.9m。基盤は古期花崗閃緑岩であるが,安山岩質集塊岩の断片がここにあって浸食に抵抗し,急斜面に囲まれている。丘陵頂には一部平坦面があり,大森の城山と同じく,中山礫層をのせている。元弘年間ここに椿館があり,春日侍従顕国が拠ったという。「信達志」にも山茶館の記事があり,「むかし岩城判官政氏居城すとも云,案ずるに政氏と云人国史に見えず」とあり,「郡村誌」に椿館としてこれと似た記事がある。館跡があったことは確実で,山名はこれに基づいている。また川岸弁天をはじめこの山頂に祀ったが,福島城中を見下ろす位置にあるので,阿武隈川畔に移された。弁天山の名はこの弁天からでている。今山頂に上水道の貯水池があり,その工事のとき(大正11年)直刀が出土し,古墳跡とも考えられているが,その所在は不明である。山麓の阿武隈川に国道4号の弁天橋が架かる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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