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苗松山
【なえまつやま】


二本松市南西端,杉田箕輪地内にある標高498mの山地。かつてはこの山頂が箕輪(みのわ)村(現二本松市)と椚山(くぬぎやま)村(現安達郡大玉村)の境界であった。南麓にはエゾ穴と呼ばれる横穴式古墳跡と思われるものがあり,土師器や勾玉が出土しているが,正式な発掘は行われていない。山頂には羽山明神が祀られ,江戸期には雨乞いの行われる場所でもあった。大玉村大山字高屋敷にある羽山神社の承応2年の羽山権現・山王権現縁起書によると,苗松山に賊徒(苗松太郎)が住み,これを退治して首をはねたところ首が消えて,その後夜ごとに仇をなすので羽山権現別当が霊をしずめ山頂に羽山権現を祀ったとある。山体は石英粗面岩で構成されており,西側は岳温泉付近より続くかなり明瞭な断層線がみられる。苗松山の北部に接して三雄山がある。この山は江戸期からの地方の名勝地で,メノウの産出でも知られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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