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那須火山脈
【なすかざんみゃく】


奥羽山脈に重なって那須・鎌房火山群や吾妻・磐梯・安達太良の火山群が並び,2,000m内外の高山を形成し,明治期から那須火山脈と呼ばれていた。那須・鎌房火山群には那須の茶臼岳(1,917m)・朝日岳(1,903m)があり,その北方に三本槍岳(1,916.9m)・旭岳(別名赤崩山,1,835.2m)が連なり,鎌房火山に接続している。鎌房火山群にはその主峰大白森山(1,656m)のほか,小白森山(1,563.1m),二岐山(1,544.3m)などの鐘状火山が含まれる。北部の吾妻・安達太良の火山群では吾妻山(最高点西吾妻山,2,035m)・磐梯山(1,818.6m),安達太良山(最高点箕輪山,1,718.5m)のほか,雄国山(1,271m)・猫魔ケ岳(1,404m),箕ノ輪山・鬼面山を含む。杉村新はこの火山脈のほか,富士火山脈・乗鞍火山脈・鳥海火山脈・千島火山脈に属する火山の分布からみて,燧ケ岳(ひうちがたけ)(2,346m),博士山(1,482m),守門(すもん)岳など鳥海山から遠く離れた火山があって,距離的には鎌房火山群に近いといったようなことから,これら東日本島弧系(千島・東北日本・伊豆小笠原各弧の総称)の島弧の軸に並行してならぶ火山を一括して,東日本火山帯と命名した。奥羽山脈の東麓はこの火山帯の火山フロントにあたるとして,ここから太平洋側の非火山帯と区別した。このフロント沿いに多数の火山が並び,それから大陸側に進むと火山がまばらになる。岩石学的にもソレアイト系から高アルレナ系に変わり,日本海近くではアルカリ岩系が分布するという。この考えによると従来の那須火山脈は1つの火山列とみなされる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7032941