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半田山
【はんだやま】


伊達郡桑折(こおり)町にある山。標高863.1m。国鉄東北本線桑折駅から北西方向にあり,馬蹄形の急崖を東に向けた特異な山容を示す。山体は流紋岩質岩石からできているが,山体の東半分は崩壊して,山麓はきわめて複雑な丘陵地を成し,しかも堰止湖の半田沼をもっている。この山崩れは古代に起こったものに違いないが,明治年間には数回の崩壊を繰り返し,人家にも直接の被害をもたらしている。明治32年9月に亀裂が生じ,同34年には崩壊して,北半田の民家3戸を埋め,同35年には山麓にて稼行中の半田銀山の坑口を埋め,同43年には大規模な土砂崩れがあり被害を受けた建築物157,その他耕地・道路の埋没・流出を合わせて被害額19万円と報告されている(伊達郡誌)。この山崩れは山麓にある半田銀山の稼行を困難にしたのも確かなようである。現在は山崩れも終わったようであり,崩壊跡の地肌にも樹林が茂り,ただ山容や麓の地形にかつての面影を残すだけである。伊達郡の中央を流れる阿武隈(あぶくま)川河畔から眺める半田山の景観は趣がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7033515