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燧ケ岳
【ひうちがたけ】


南会津郡檜枝岐(ひのえまた)村にある山。標高2,346m。福島県の南西端,尾瀬沼の北にそびえる火山で,古生層や花崗岩類を基盤とし,その上に噴出・堆積した第四紀の輝石安山岩の溶岩から成る。頂上付近には俎嵓(まないたぐら)・柴安嵓(しばやすぐら)・赤なぐれ岳などが西に開いた半円形をつくって並び,その中に中央火口丘の御池岳(2,260m)がある。燧ケ岳の火山活動に伴って噴出した溶岩は麓の只見川上流域の一部を堰き止めて,尾瀬沼と尾瀬ケ原を生み出した。燧ケ岳の山麓の緩斜面には田代と呼ばれる湿原が無数に散在している。また,燧ケ岳は,もともと俎嵓・柴安嵓その他の尖峰の総称であったと思われるが,現在は,それらのほぼ中央にある俎嵓に燧ケ岳の名が冠され,その標高は東北一である。なお,高さに関していえば,俎嵓よりも,西隣の柴安嵓(2,350m)のほうがほんのわずか高いことがわかる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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