100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

広瀬川
【ひろせがわ】


伊達(だて)郡(川俣町)と安達郡(東和町)との境界をなす木幡山(666m)と口太山(くちぶとやま)(843m)の中間にある笹ノ田峠(456m)の北麓,川俣町大綱木地区に源を発し,川俣盆地・月舘・霊山町掛田を通り,梁川(やながわ)町梁川地区で阿武隈川に合流する。1級河川。総延長は35kmを超える。阿武隈山地北部の西縁に発達する幾つかの構造線(宮内・鍋遣(なべやり)・針道―霊山断層群など)に沿っては多くの流路があるが,これらを合わせて,みずからも断層谷に適従して北流する河川が広瀬川である。このため山地内を流れる川でありながら河床の勾配はゆるく,流路に沿っては幅広い氾濫原をもつ。福島盆地の低地に出ても扇状地をつくらないのも一特徴である。このため,この流路沿いには伊達郡小手郷・東根郷の村落が相当高い人口密度をもって展開する。特に支流が合流する場所は各谷々の集落を結ぶ交通上の要地でもあり,しかも土地も広いからここにおのずと中心集落ができた。川俣・月舘・掛田などの町ができたのはこの例である。この川から導水する砂子堰(いさごぜき)は伊達郡東根郷の重要な用水路であった。なお安達郡岩代町にも同名の河川があり,太田川と合流して阿武隈川に注ぐ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7033677