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矢吹原台地
【やぶきがはらだいち】


須賀川市南部から岩瀬郡鏡石町・西白河郡矢吹町に広がる洪積台地。阿武隈(あぶくま)川およびその支流釈迦堂川にはさまれ,南北15km・東西8kmに及ぶ。古くは行方(なめかた)原と呼ばれ,六軒原・三城目原・北原・南原・西原・岡谷地原・七軒原・滑津原などから成る。明治14年矢吹原の未墾地は御料地となり,開墾計画がたてられた。同16年三城目原・八幡原などを中心に猟場が開設された。昭和8年福島県はこの御料地の払い下げをうけ,開拓に着手した。同11年弥栄(やさかえ)開墾で県北などの農耕経験者78戸が入植して田8ha,畑163haを開いた。同12年県立伝習農場(現農業経営大学校)が開設され,90haの農地が開墾された。同年北善郷内原一部に陸軍飛行場がつくられ,空襲をうける原因となった。昭和20年駅前・北原・西原などの鏡石地区に60戸余が,同21年には北善郷内原飛行場などの矢吹地区に30戸の復員軍人,疎開者,次・三男などがそれぞれ入植し,かつての原野は次々に畑作地帯へと姿を変えた。戦時中の資材不足などのため建設が中断されていた羽鳥ダムが昭和31年に完成し,同42年まで1,424.8haの開田が進んだ。国道4号バイパスにも当たる県営白河東部地区広域営農団地農道が同52年に完成した。矢吹原を縦貫し,須賀川市と矢吹町の間28kmを結ぶ幅6mの道路である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7034641