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明石浜
【あかしはま】


鹿島灘に臨む海岸の一部で,鹿嶋市の鹿島工業団地の北部の海岸。明石は,砂浜が南北に連なる集落の1つで,鹿島神宮の東の一の鳥居があり,神宮の祭頭祭の神事を奉納する人々の住居の北端にあたる。早くから製塩業と漁業の開けた海浜で,明石の安永4年の戸数53戸のうち製塩業は21戸。元禄年間~享保年間以降,鹿島灘のイワシ地引網漁の1拠点となった。近世後期には特に干鰯の生産・出荷地として知られる。網主の明石与兵衛家は,近隣の海岸の漁業に大きな影響力をもった。干鰯は鹿島灘では明石のほか,清水・中作・小宮作・下津・平井・粟生浜・国末浜・泉州浜が知られ,北浦・利根川などの舟運を利用して,下野(しもつけ)・上野(こうずけ)・武蔵方面に送られた。出荷は大正期まで行われたが,化学肥料の発達により干鰯が使用されなくなるにつれ,この地方の地引網漁も衰退した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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