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女化原
【おなばけはら】


牛久市南部にある原。国鉄常磐線牛久駅の南東にあたる。標高25m前後で筑波・稲敷台地の一部をなす。「利根川図志」には女化原について次のような伝説が見える。下総国河内郡根本村の百姓忠七はある時猟人に射たれそうになった狐を助けた。後日この狐は女人に姿をかえ,忠七に恩を返しにきたが,そのまま忠七の妻となり,3人の子をもうけた。8年の歳月が流れ,狐は泣く泣く根本が原の古塚に戻らなければならなかったが,その際,「みどり子の母はと問はば女化の原になくなく臥と答えよ」と詠んだという。3人の子どものうち末の竹松の孫はのちに常州岡見氏に仕え,栗林下総守義長と号したという。地名はこの伝承にちなむと伝える。文化元年には牛久宿助郷村増加に反対して,桂村ほか54か村の約8,000人が女化原に集結し,問屋などを襲撃したが,幕府の要請で出兵した土浦藩・佐倉藩により鎮圧された。現在は首都圏に位置し,都市化が進んでいる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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