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笠間盆地
【かさまぼんち】


県中央部にある浸食盆地。筑波山塊と鶏足(とりあし)山塊の間にある盆地列の1つで,国鉄水戸線の谷沿いに通谷状に発達した盆地列の中で最大。盆地床は標高40~50mで,北東から南西に細長く,南北に狭い。北は鶏足山塊の南端をなす国見山,北西は仏頂(ぶつちよう)山・鍬柄山,南は吾国(わがくに)山・難台山に囲まれている。東には高い山地がなく,西の下館・岩瀬方面とは水戸線の谷を通して,栃木県とは仏ノ山峠を通して古くから交流があった。沖積低地は盆地を貫流する涸沼(ひぬま)川とその支流の片庭川・稲田川に沿って発達。笠間市の市街は佐白山麓に宿場町・城下町・門前町として発達した。盆地内の稲田付近からは結晶の小さい稲田型花崗岩(稲田石)が生産され,現在も石材工場が多い。稲田御影石の採石の中心は水戸線稲田駅・大郷戸付近で,東西8km・南北6kmは俗称「石切山脈」として知られる。また花崗岩の風化土を原料として笠間焼も発達している。周辺は笠間県立自然公園に指定され,さらに笠間稲荷,西念寺や笠間美術館,芸術村を控え観光客が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7036242